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愛を捧げるということ
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朝のお散歩道
海辺のすぐ側にあるベーカリー屋さんの前を通ると
子供たちにパンを与え
それぞれが持っているビンにお水を注いであげているおじいさんと出会う。

そのおじいさんは、おいしそうにパンを頬張る子供達に向けていた
やさしい笑顔をそのまま私に向けて、話してくださいました。

「毎朝、ここの子供達に今日のパンのできをみてもらっているんだよ」

彼は、イギリスから移住してきた、
島でも一番人気のベーカリー屋さんのオーナー。
毎朝、日が昇る前からパンを焼き、出来上がったパンを、
お店の前で待っている子供達に配っていらっしゃるそうです。
おじいさんは、この子供達のこと、
どうして、パンを配るようになったのかを、
こんどは、少し悲しい顔で、私に話してくださいました。



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この子供達には、家がありません。
この子供達の中には、どこか遠くの島から一緒にやって来た母親に
置き去りにされた子供もたくさんいます。

数年前、船着場で、
どうみても、西洋人との混血と思われる一人のちいさな男の子が
泣いているのをおじいさんが見つけ、
話し掛けると、その男の子は、言葉が話せず、犬のような鳴き声で、
船を指差して、おじいさんに何かを訴えてきていたそうです。

その子供と出会って以来、
クリスチャンでもあるおじいさんは、
豊かな国の人間が犯した罪深い気持ちでいっぱいになり、

「自分が一番大切なもの、自分が持っている一番の才能を彼らに捧げよう」
と心に決め、彼が心を込めて作った、できたてのパンを、
一番最初に、子供達に配るようになったそうです。

「私だけではなく、旅人たちや、島の人たちも、
みんな愛を持ってこの子供達に接してくれている。」
と話してくれたおじいさんの顔に、また笑顔が戻っていました。

「自分が一番大切なもの、自分が持っている一番の才能」
子供達に、一番の愛を捧げるおじいさんの姿をみた私は、
旅の間中、子供達に自分は何ができるんだろうと、考えていたけれど、
なかなか答えが見つからないまま、何年も過ごしてきました。

母親という立場になる今、
母親としての心の準備として与えられた時間は、
もう一度、そのことについて、
新しい気持ちで考えさせてくれる時間でもあるような気がします。
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by Kailani073 | 2006-04-12 10:49 | Baby&Kids
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